HDD(ハードディスク)の不良クラスタ

 HDDは磁性体でコーティングされた円盤(プラッタ)が高速で回転しており、その表面を磁気センサーが移動しながらデータを読み書きする構造になっております。このセンサーは風圧で僅かに円盤の表面から浮いているため円盤が摩耗することはありませんが、軸受の摩耗による震動等によってセンサーと円盤が接触することがあります。そうすると円盤の表面の磁性体が摩耗し、読み書きができなくなったり、データにエラーが発生し読み込みに時間がかかるようになります。 
 このようにして読み書きが正常にできなくなった部分を不良クラスタといいますが、不良クラスタが多くなると次のような症状が発生します。
  ★ エラーメッセージが頻繁に現れる。
  ★ すぐにフリーズする。
  ★ 起動に時間がかかったり、動作が遅くなる。
 さらに、不良セクターが多くなったり、そうでなくても起動に必要なファイルが不良クラスタに引っかかって破損するともう起動しなくなります。
 このような状態でも、新しいHDDに総てのファイルを移し替えて、さらに壊れたファイルを修復することで、たいていは元の状態で使用できるようになります。しかしながら、無理をして長時間使用し続けたような場合は修復不能でデータのみを取り出してリカバリーをしなければならないこともあります。

 HDDの状態を確認する色々なソフトがありますが下図はその一例です。



この写真はハードディスクの分解写真(フリー)作る人 (つくるんちゅ)日記より借用しました。
良好な状態のHDD
Health が 100% となっています。
寿命が尽きかけているHDD
Health が 39% まで落ちています。

    

 
 
 HDDの物理障害

 HDDは上に述べた不良クラスタの発生のほかにモータの故障、磁気センサーの故障、埃の混入によるデスク表面の損傷、全体をコントロールする電子基板の故障等いろいろな故障があり、このような故障を物理障害と呼んでおります。
 物理障害の場合、買い換えるほうが安くつくため修理することはまずありませんが、問題は重要なデータの取り出しです。障害の程度によりますが、データの取り出しはHDDを分解して行うため、特殊な装置とクリーンルームが必要で、費用も10万円〜50万円と非常に高額になります。当店では物理障害には対応できず、専門業者への取次のみを行っております。



この画像はハードディスクを分解してみる 自作パソコンPC作り方から借用しました。


HDDの論理障害

 HDDの円盤(プラッタ)はセクターと呼ばれる部分に細分され、セクター単位にでデータが書き込まれます。そうして、セクターがどのような構造になっているかやデータがどこにどのように書き込まれているかという情報をまとめて記録した部分があります。HDDに物理障害がなくても、この情報が何らかの理由で壊れると、データが読み出せなくなったり、ときにはHDDそのものが認識されなくなります。このような障害を論理障害といいます
論理障害は特殊なプログラムを使用してデータの取り出しができます。費用も物理障害に比べて安価で、数万円程度が普通です。
当店で論理障害には対応できます。